再審無罪の事件一覧(26件)
確定した有罪判決が再審によって取り消され、無罪が言い渡された事件を収録している。当サイトが収録する26件は、1963年の吉田岩窟王事件から2025年の福井女子中学生殺人事件までにわたる。免田事件・財田川事件・松山事件・島田事件のいわゆる死刑再審四事件のように、確定死刑囚が再審で無罪となった事例のほか、足利事件・東電OL殺人事件のDNA型鑑定による救済、湖東記念病院事件・松橋事件のように自白の信用性が覆された事例が含まれる。再審で無罪が確定するまでに数十年を要した事件が多く、日本の再審制度が「開かずの扉」と呼ばれてきた理由がここに表れている。
並び順は無罪が確定した年の古い順。収録の基準は掲載基準の「再審により無罪が確定した事件」による。
吉田岩窟王事件
吉田石松(よしだ いしまつ)
冤罪無罪確定
無期懲役→再審無罪愛知県愛知県警
1913→1963 (50年)
自白強要客観的証拠の欠如
金森事件
冤罪無罪確定
懲役15年大阪府大阪府警
1941→1970 (29年)
自白強要目撃証言の問題+1
加藤老事件
加藤新一(かとう しんいち)
冤罪無罪確定
無期懲役→再審無罪山口県山口県警
1915→1977 (62年)
自白強要
弘前大学教授夫人殺し事件
那須隆(なす たかし)
冤罪無罪確定
懲役15年→再審無罪青森県青森県警
1949→1977 (28年)
自白強要鑑定の問題+1
米谷事件
米谷四郎(まいや しろう)
冤罪無罪確定
懲役10年→再審無罪青森県青森県警
1952→1978 (26年)
自白強要目撃証言の問題+1
滝事件
滝 淳之助(たき じゅんのすけ)
冤罪無罪確定
懲役5年等→一部再審無罪東京都警視庁
1950→1981 (31年)
自白強要客観的証拠の欠如
免田事件
免田栄
冤罪無罪確定📖 当事者書籍
確定審:死刑 / 再審:無罪熊本県熊本県警
1949→1983 (34年)
見込み捜査自白強要
財田川事件
谷口繁義
冤罪無罪確定
死刑→再審無罪香川県香川県警
1950→1984 (34年)
自白強要鑑定の問題
松山事件
斎藤幸夫
冤罪無罪確定
死刑→再審無罪宮城県宮城県警
1955→1984 (29年)
自白強要鑑定の問題
徳島ラジオ商殺し事件
冨士茂子
冤罪無罪確定
懲役13年→再審無罪(死後再審)徳島県徳島県警
1953→1985 (32年)
自白強要供述弱者
梅田事件
梅田義光(うめだ よしみつ)
冤罪無罪確定
無期懲役→再審無罪北海道北海道警察
1952→1986 (34年)
自白強要鑑定の問題
缶ビール詐欺事件
冤罪無罪確定
静岡地裁下田支部1982.9.2 有罪静岡県静岡県警
1981→1986 (5年)
目撃証言の問題誤認逮捕+1
島田事件
赤堀政夫
冤罪無罪確定
死刑→再審無罪静岡県静岡県警
1954→1989 (35年)
自白強要鑑定の問題+1
貝塚ビニールハウス殺人事件(再審)
冤罪無罪確定
懲役10年大阪府大阪府警
1979→1989 (10年)
自白強要客観的証拠の欠如+1
榎井村事件
匿名
冤罪無罪確定
懲役15年→再審無罪香川県香川県警
1946→1994 (48年)
自白強要
氷見事件
柳原浩
冤罪無罪確定
懲役3年(2002年11月27日、富山地裁高岡支部) → 再審無罪(2007年10月10日、同支部)富山県富山県警
2002→2007 (5年)
自白強要供述弱者+1
足利事件
菅家利和
冤罪無罪確定
無期懲役栃木県栃木県警
1991→2010 (19年)
DNA型鑑定の誤り自白強要+1
布川事件
桜井昌司・杉山卓男
冤罪無罪確定
無期懲役→再審無罪茨城県茨城県警
1967→2011 (44年)
自白強要証拠開示の問題
東電OL殺人事件
ゴビンダ・プラサド・マイナリ
冤罪無罪確定
一審無罪→控訴審逆転有罪→再審無罪東京都警視庁
1997→2012 (15年)
目撃証言の問題供述弱者
大阪強姦虚偽証言事件
匿名(養父)
冤罪無罪確定
一審:懲役12年(強姦・強制わいせつ、2009年5月15日、大阪地裁)→ 控訴棄却(2010年7月21日、大阪高裁)→ 上告棄却・確定(2011年4月21日、最高裁)→ 再審開始決定(2015年2月27日)→ 再審:無罪(2015年10月16日、大阪地裁第1刑事部)大阪府大阪府警
2008→2015 (7年)
目撃証言の問題被害者・第三者の偽証+1
東住吉事件
青木恵子・朴龍晧
冤罪無罪確定📖 当事者書籍
無期懲役→再審無罪大阪府大阪府警
1995→2016 (21年)
自白強要鑑定の問題
北海道警おとり捜査事件
A(ロシア人船員)
冤罪無罪確定
確定審:懲役2年(1998年8月25日、札幌地裁) → 再審:無罪(2017年3月7日、札幌地裁)北海道北海道警察
1997→2017 (20年)
おとり捜査被害者・第三者の偽証+2
松橋事件
宮田浩喜
冤罪無罪確定
懲役13年→再審無罪熊本県熊本県警
1985→2019 (34年)
自白強要証拠開示の問題
湖東記念病院事件
西山美香
冤罪無罪確定
懲役12年→再審無罪滋賀県滋賀県警
2004→2020 (16年)
自白強要供述弱者+1
袴田事件
袴田巖
冤罪無罪確定
確定審:死刑 / 再審:無罪静岡県静岡県警
1966→2024 (58年)
自白強要証拠捏造+2
福井女子中学生殺人事件
前川彰司
冤罪無罪確定
懲役7年→再審無罪福井県福井県警
1987→2025 (38年)
目撃証言の問題自白強要
この一覧についての注記
- 一部の訴因のみ再審無罪となった事件:滝事件は、起訴された複数の事実のうち一部について再審無罪となったもので、 全事実について無罪が言い渡された事件とは性質が異なる。件数には含めているが、 詳細は各事件のページを参照されたい。
- 横浜事件は再審は開始されたものの、2006年の再審判決は免訴(治安維持法の廃止と大赦を理由に、有罪無罪の実体判断をせず裁判を打ち切るもの)であり、 無罪判決は言い渡されていない。このため本一覧には含めていない。 ただし2010年、横浜地裁は元被告人5名への刑事補償を決定する中で特高警察による拷問を認定し、 「再審で実体判断が行われた場合には無罪判決を受けたことは明らか」と述べている。 形式的には免訴で終わった事件だが、裁判所自身が実質的に冤罪を認めた経緯がある。 詳細は横浜事件のページを参照されたい。
- 再審請求が現在も係属している事件(21件)は本一覧には含まれない。再審請求中・再審公判中の事件一覧を参照されたい。