冤罪マップ

日本の冤罪事件 一覧(193件)

当サイトでは、日本国内で「冤罪」または「冤罪の疑い」が指摘された事件、捜査手続に重大な問題があった事件、そして誤認捜査により無実の人物が一時的に被疑者とされた事件を収録している。個別の事件ページでは、逮捕から判決確定・再審までの経過、関連書籍、捜査機関、司法的判断の帰結を構造化された形で閲覧できる。収録対象はすべて一次資料または信頼できる二次資料で裏付けられたものに限る。下記は現時点で収録している全事件の一覧である。

最近追加・更新された事件

当サイトで新規収録または内容を更新した事件です。

足利事件
DNA型鑑定の誤りにより有罪。菅家氏は知的なハンディキャップがあり取調べで不利な立場にあった。再鑑定で不一致判明、2010年無罪確定。
飯塚事件
1992年、福岡県飯塚市で女児2人が殺害された事件。久間三千年が逮捕され2006年に死刑確定。2008年に死刑執行。MCT118法によるDNA鑑定の信頼性が問題視され、遺族が再審請求中。死刑執行後の再審請求という極めて稀なケース。
名古屋乳児傷害冤罪事件
2023年7月15日ごろ、名古屋市中村区の自宅で、当時生後2カ月の男児が頭蓋骨や左大腿骨を骨折するけがを負った。当時、自宅には父親(30、自営業)と男児の2人しかおらず、父親が一人でおむつ替えなどの世話をしていた。夜に帰宅した母親が男児の異変に気付き、搬送先の病院でけがが判明した。父親は2024年3月、傷害罪で起訴された。 弁護側は公判で、父親が立った状態で男児を左手で抱きかかえ、右手でおむつを取ろうとした際に男児が足をばたつかせたため腕から抜け落ちたと説明し、無罪を主張した。検察側は「自然落下によって生じたとは認めがたい傷害」として、父親が故意に暴行を加えたと主張し、懲役6年を求刑した。 2026年5月28日、名古屋地裁(入江恭子裁判官)は、双方が提示した医師の鑑定結果を検討したうえで、同様の事故事例があり「乳児を育児する親の行動としてはあり得ないものとはいえない」とし、「自然落下によって生じる可能性が否定できない」として無罪を言い渡した。判決は「故意に暴行を加えたと認めるには合理的な疑いを入れる余地がある」とした。代理人弁護士によれば、男児のけがはその後回復したという。
幸徳事件
1910年、明治天皇暗殺計画の容疑で社会主義者ら26名が起訴。1911年1月18日に24名に死刑・2名に有期刑の判決。うち12名が特赦で無期懲役に減刑、残る12名が判決6日後に処刑された。後年の研究で大半は冤罪であったことがほぼ定説。
横浜事件
1942年から1945年にかけて、治安維持法違反の容疑で編集者・新聞記者ら約60名が逮捕された日本最大級の言論弾圧事件。特高警察による拷問で4名が獄死、保釈直後に1名が死亡。約30名が起訴され、終戦直後の1945年8〜9月に有罪判決。その後、3度にわたる再審請求を経て2005年に再審開始が確定。2006年の再審判決は免訴(有罪無罪の判断をせず裁判を打ち切り)。2008年に最高裁が上告棄却し免訴が確定。2010年の刑事補償決定で裁判所が実質的に冤罪を認定した。

最近動きのあった事件

判決・再審開始決定・公判期日・国賠訴訟など、直近の法的手続きが進んだ事件です。

プレサンス元社長事件 — 映画『負けへんで』公開予定
本人の手記『負けへんで 東証一部上場企業社長vs地検特捜部』(文春文庫)を原作とする映画『負けへんで』が公開される予定(配給GAGA)。監督は『空飛ぶタイヤ』の本木克英、主演は内野聖陽。フィクションとして名称を変更しており、山岸忍氏に相当する主人公は「藤堂繁」、プレサンスコーポレーションに相当する会社は「ローブコーポレーション」、取調べを担当した検事に相当する役は「鈴鳴通子」(松本若菜)として描かれる。弁護団が検事の取調べの録音・録画を解析し、法廷で初めて取調室内での罵倒・恫喝・脅迫まがいの取調べの模様が明らかになった経緯が、作品の軸として描かれるとされる。
飯塚事件 — 第3次再審請求の準備が判明
弁護側は、警察のDNA型鑑定を検証した結果、久間三千年元死刑囚と犯人のDNA型は一致しないと判断したことが関係者への取材で判明した。2012年に弁護団に開示された鑑定を筑波大学の本田克也名誉教授が検証し、元死刑囚のDNAの電気泳動を撮影した写真のネガに切り取った痕跡があるほか、端に写ったものの位置や形状から両者の型は一致しないとした。弁護団はこの検証結果を新証拠として第3次再審請求の準備を進めている。弁護団の徳田靖之弁護士は「極めて重大な事実が明らかになったので、再審請求する必要がある」とコメントした。
日野町事件 — 旧有罪証拠を取り調べないことで三者が合意(事実上の証拠撤回)
大津地裁で裁判所・検察・弁護団による三者協議が開かれ、確定判決が有罪の根拠とした証拠を再審公判で取り調べないことについて、検察が「異議はない」と回答して合意した。対象には、阪原さんが自白したとされる調書や、被害品の金庫・遺体の発見現場まで捜査官を案内したとする引当捜査の実況見分調書などが含まれる。弁護団の石側亮太弁護士は「事実上の撤回。再審公判であまりない展開だ」と述べた。大津地裁は再審公判でこれらの証拠を取り調べない決定をする見通しで、審理が1日で結審する可能性がある。再審公判の期日はこの日も決まらず、次回の三者協議は10月15日、次々回は11月5日に予定されている。
神奈川県警交通取り締まり不正事件 — 是正手続きがほぼ終結
神奈川県警は、違反の取り消し対象2716件について是正の手続きがほぼ終結したと発表した。取り消し対象のうち95%で対応が終了し、海外渡航しているなどの理由で連絡が取れない人を除いて一定のめどが立ったという。すでに納付されていた反則金約3457万円のうち、約3361万円が返還された。県警内で是正の手続きに対応していたチームは同日で解散するが、まだ手続きが終わっていない人については引き続き対応を進めるとしている。
北海道庁爆破事件 — 札幌地検が証拠89点の所在不明と検察官の虚偽回答を発表
第4次再審請求の審理が進む中、札幌地検は保管しているはずの証拠89点が所在不明になっていたと発表した(70点は原本発見、17点は写しのみ発見、2点は原本も写しも発見されず)。あわせて、確定審の公判で検察官が、裁判所からの質問に対し目撃証人の調書について虚偽の回答をしていたことも判明した。実際には検察官面前調書5通・警察官面前調書4通の計9通が作成されていたにもかかわらず、検察官面前調書4通・警察官面前調書2通の計6通しかないと回答し、弁護側にも6通のみを開示していた。札幌地検は証拠の所在不明について「誠に遺憾であり反省すべきものであると考えている」、確定審当時の検察の対応についても「証拠開示制度の下でその運用を行っている現在の視点から見ると、誠に遺憾であり反省すべきものであると考えている」とコメントした。