2003年、滋賀県の湖東記念病院で入院患者(72歳)が死亡。看護助手の西山美香(当時23歳)が人工呼吸器のチューブを外して殺害したとして2004年に逮捕。軽度の知的障害・発達障害・愛着障害があり「供述弱者」であった西山氏は、取調官への恋愛感情を利用され虚偽の自白に追い込まれた。懲役12年の実刑を受け満期服役。2017年、大阪高裁が患者の自然死の可能性を認め再審開始決定。2020年、大津地裁の再審で「事件性を認める証拠すらない」として無罪確定。2025年、国賠訴訟で滋賀県に約3100万円の賠償命令。同年8月、滋賀県警本部長が西山氏に直接謝罪。
2003年、滋賀県の湖東記念病院で入院患者(72歳)が死亡。看護助手の西山美香(当時23歳)が人工呼吸器のチューブを外して殺害したとして2004年に逮捕。軽度の知的障害・発達障害・愛着障害があり「供述弱者」であった西山氏は、取調官への恋愛感情を利用され虚偽の自白に追い込まれた。懲役12年の実刑を受け満期服役。2017年、大阪高裁が患者の自然死の可能性を認め再審開始決定。2020年、大津地裁の再審で「事件性を認める証拠すらない」として無罪確定。2025年、国賠訴訟で滋賀県に約3100万円の賠償命令。同年8月、滋賀県警本部長が西山氏に直接謝罪。
- 事件発生
- 2003年
- 被告人
- 西山 美香(にしやま みか)
- 判決
- 懲役12年→再審無罪
- 現在のステータス
- 無罪確定
- 冤罪の原因
- 自白強要、供述弱者、客観的証拠の欠如
- 支援
- 日本弁護士連合会
タイムライン
湖東記念病院で入院中の男性患者(72歳)が死亡。看護師Bが人工呼吸器のチューブが「外れていた」と証言
看護助手の西山美香を殺人容疑で逮捕。取調官Cへの恋愛感情を利用され、虚偽の「自白」に至った
大津地裁(長井秀典裁判長)が自白の信用性を認め懲役12年の実刑判決
大阪高裁(若原正樹裁判長)が控訴棄却
最高裁が上告棄却(5月21日決定)、懲役12年が確定
心理学的鑑定意見書等を提出するも、2011年3月に大津地裁が棄却。即時抗告・特別抗告もいずれも棄却
自白の信用性・任意性の欠如、司法解剖鑑定書の信用性、自然死の可能性等を主張
中日新聞が連載記事を掲載。西山氏が軽度の知的障害・ADHD・愛着障害を持つ「供述弱者」であることを報道。弁護団が証拠資料として大阪高裁に提出
懲役12年の刑期を満了し和歌山刑務所を出所
大阪高裁(後藤眞理子裁判長)が再審開始を決定。患者が致死性不整脈で自然死した疑いを認め、自白の信用性にも合理的疑いが残るとした
日本弁護士連合会が本事件を冤罪と判断し、再審請求支援事件に指定
最高裁第二小法廷が検察の特別抗告を棄却。裁判官3人の全員一致で再審開始確定
大津地裁(大西直樹裁判長)が無罪判決。「事件性を認める証拠すらない」と結論。自白は「不当、不適切な捜査によって誘発された」として証拠排除。4月2日、検察が上訴権放棄し無罪確定
大津地裁が刑事補償約5990万円(4798日分、1日あたり12,500円)の支払いを決定
西山氏が国と滋賀県に対し計約4300万円の損害賠償請求訴訟を提起
大津地裁(池田聡介裁判長)が県警捜査の違法性を認定し、滋賀県に約3100万円の賠償命令。国への請求は棄却。7月25日、滋賀県が控訴断念
西山氏側が国に対する請求棄却部分を不服として控訴
滋賀県警の池内久晃本部長が西山氏と両親に直接謝罪。県警が本人に直接謝罪したのは初めて
事件に関わる言葉
裁判官・当事者・家族・支援者・訴追機関などによって記録・公表された発言のうち、 この事件の理解に重要なものを引用しています。
判決文より要レビューもう嘘は必要ありません
再審無罪判決後、10分以上にわたる「説諭」の中で、目を赤くし声を詰まらせながら西山美香氏に語りかけた言葉。
出典:日本弁護士連合会「湖東事件」 2020-04-01 原文を読む ↗
参考リンク
参考文献
湖東記念病院事件の再審無罪確定を巻頭特集。あずみの里事件・袴田事件・SBS事件・今市事件・乳腺外科医事件など通常審の注目事件も収録。燦燈出版。
Amazonで見る ↗名張事件と大崎事件第4次再審を巻頭特集。北海道庁爆破事件・狭山事件・飯塚事件・Coinhive事件・大川原化工機事件・天竜林業高校事件なども収録。燦燈出版。
Amazonで見る ↗湖東記念病院事件の冤罪を追った中日新聞の調査報道の記録。知的障害・発達障害・愛着障害を持つ「供述弱者」の存在を明らかにし、再審無罪へと導いた経緯を詳述。石橋湛山記念・早稲田ジャーナリズム大賞、講談社本田靖春ノンフィクション賞受賞。
Amazonで見る ↗



