北海道警おとり捜査事件
A(ロシア人船員)
1997年11月14日、ロシア人船員Aが小樽港で拳銃を所持していたとして現行犯逮捕され、1998年8月25日に札幌地裁で拳銃加重所持罪により懲役2年の有罪判決を受けた(同年9月9日確定)。確定審で弁護人は違法なおとり捜査を主張したが、検察側証人5名(警察官3名・捜査協力者2名)の証言により、裁判所はおとり捜査の存在自体を否定。後に捜査に関わった北海道警察銃器対策課の警察官B(稲葉圭昭)が覚醒剤事件で逮捕され、自身の公判(2003年)で本件におとり捜査が存在したこと、現場警察官と捜査協力者が組織的に偽証し虚偽の捜査書類を作成したことを供述。2013年9月25日に再審請求、2016年3月3日に札幌地裁刑事第2部(佐伯恒治裁判長)が「令状主義の精神を潜脱し、没却するのと同等ともいえるほど重大な違法」がある犯意誘発型のおとり捜査と認定し再審開始決定。検察の即時抗告も2016年10月26日に札幌高裁が棄却。2017年3月7日に再審無罪判決。別途、Aは国・北海道に対し国家賠償請求訴訟を提起し、2010年3月19日に札幌地裁が偽証を認定して道に50万円の支払いを命じ、2013年4月16日に最高裁で確定した。
1997年11月14日、ロシア人船員Aが小樽港で拳銃を所持していたとして現行犯逮捕され、1998年8月25日に札幌地裁で拳銃加重所持罪により懲役2年の有罪判決を受けた(同年9月9日確定)。確定審で弁護人は違法なおとり捜査を主張したが、検察側証人5名(警察官3名・捜査協力者2名)の証言により、裁判所はおとり捜査の存在自体を否定。後に捜査に関わった北海道警察銃器対策課の警察官B(稲葉圭昭)が覚醒剤事件で逮捕され、自身の公判(2003年)で本件におとり捜査が存在したこと、現場警察官と捜査協力者が組織的に偽証し虚偽の捜査書類を作成したことを供述。2013年9月25日に再審請求、2016年3月3日に札幌地裁刑事第2部(佐伯恒治裁判長)が「令状主義の精神を潜脱し、没却するのと同等ともいえるほど重大な違法」がある犯意誘発型のおとり捜査と認定し再審開始決定。検察の即時抗告も2016年10月26日に札幌高裁が棄却。2017年3月7日に再審無罪判決。別途、Aは国・北海道に対し国家賠償請求訴訟を提起し、2010年3月19日に札幌地裁が偽証を認定して道に50万円の支払いを命じ、2013年4月16日に最高裁で確定した。
- 事件発生
- 1997年
- 被告人
- A(ロシア人船員)
- 判決
- 確定審:懲役2年(1998年8月25日、札幌地裁) → 再審:無罪(2017年3月7日、札幌地裁)
- 現在のステータス
- 再審無罪
- 冤罪の原因
- おとり捜査、偽証、証拠捏造、組織的隠蔽
タイムライン
小樽港でロシア人船員Aが拳銃所持の現行犯で逮捕。捜査協力者であるパキスタン人Dからの中古車との交換の働きかけが端緒
札幌地裁が拳銃加重所持罪により懲役2年の実刑判決
控訴なく有罪確定
本件捜査を担当した北海道警察銃器対策課の警察官B(稲葉圭昭警部)が覚せい剤取締法違反容疑で逮捕(稲葉事件)
稲葉が自身の公判で、本件はパキスタン人捜査協力者Dへの事前承諾を得たやらせ捜査だったと供述。組織的偽証・虚偽公文書作成の存在が明らかに
札幌検察審査会が、不起訴処分とされた稲葉ら警察官の偽証等について起訴相当と議決
札幌地裁がおとり捜査自体の違法性は否定しつつ、警察官の偽証を認定し、北海道に慰謝料等50万円の支払いを命じる
札幌高裁が双方の控訴を棄却し、一審判決を維持
最高裁第三小法廷が双方の上告を棄却し、国賠判決確定
稲葉らの偽証・組織ぐるみの隠蔽工作の発覚を新証拠として、Aが札幌地裁に再審請求
札幌地裁刑事第2部(佐伯恒治裁判長)が再審開始決定。本件おとり捜査について「令状主義の精神を潜脱し、没却するのと同等ともいえるほど重大な違法」がある犯意誘発型と認定し、現行犯逮捕で得られた拳銃・実包・鑑定書・捜査報告書を証拠排除。自白の補強証拠が無いため無罪を言い渡すべきと判断
札幌高裁が検察の即時抗告を棄却し、再審開始決定を維持
札幌地裁で再審無罪判決
参考リンク
参考文献
名張事件と大崎事件第4次再審を巻頭特集。北海道庁爆破事件・狭山事件・飯塚事件・Coinhive事件・大川原化工機事件・天竜林業高校事件なども収録。燦燈出版。
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