鑑定の問題
鑑定の問題とは
科学鑑定は客観的証拠として裁判で強い説得力を持つが、その限界や誤りが冤罪の原因となることがある。DNA鑑定の技術的限界(DNA型鑑定の誤り)は別タグで扱うが、本タグではそれ以外の鑑定の問題を扱う。
### 代表的なパターン
免田事件では、警察の血液型鑑定が6〜7時間という異常な速さで結論を出しており、その信用性が再審で否定された。島田事件では、東大の古畑種基教授の法医学鑑定が有罪の根拠とされたが、再審で弁護側の複数の新鑑定により覆された。東住吉事件では、火災の原因に関する鑑定が争われた。
科学は進歩するものであり、ある時点で「正しい」とされた鑑定結果が後に覆される可能性がある。鑑定を絶対視せず、複数の鑑定を比較検討する姿勢が重要である。
用語解説
古畑鑑定東大教授・古畑種基による法医学鑑定。複数の冤罪事件で有罪の根拠とされた
該当事件
一家四人死刑事件弘前大学教授夫人殺し事件財田川事件梅田事件島田事件松山事件名張毒ぶどう酒事件日野町事件東住吉事件和歌山毒物カレー事件恵庭OL殺人事件筋弛緩剤点滴事件(北陵クリニック事件)杏林大病院割りばし死事件福島県立大野病院事件乳腺外科医事件大阪SBS/AHT事件今西事件SBS検証プロジェクト B事件SBS検証プロジェクト C事件山内事件SBS検証プロジェクト A事件SBS検証プロジェクト G事件クリス事件SBS検証プロジェクト E事件SBS検証プロジェクト F事件SBS検証プロジェクト H事件赤阪事件茨木AHT事件SBS検証プロジェクト I事件SBS検証プロジェクト J事件清水局事件高隈事件みどり荘事件宇都宮SBS/AHT事件福岡SBS/AHT事件白浜水難偽装殺人事件南風原強盗致傷事件なみちえさん大麻誤認逮捕事件
関連書籍
ママは殺人犯じゃない— 青木惠子 (2017)
冤罪白書 2020 Vol.2— 『冤罪白書』編集委員会 (2020)
冤罪白書 2022 Vol.4— 『冤罪白書』編集委員会 (2022)
「無罪」を見抜く— 木谷明 (2020)
雪ぐ人— 佐々木健一 (2021)
私は虐待していない— 柳原三佳 (2019)
殺人犯はそこにいる— 清水潔 (2013)
大崎事件と私— 鴨志田祐美 (2021)
名張毒ブドウ酒殺人事件— 江川紹子 (2011)
55の再審裁判事例から誤判の原因を探る 有罪率99.9%に潜む冤罪の危険— 丸山輝久 (2021)
死刑執行された冤罪・飯塚事件— 現代人文社 編 (2017)
和歌山カレーヒ素事件 判決に見る裁判官の不正— 現代人文社 編 (2024)
南風原事件 DNA鑑定と新しい冤罪— 木谷明・佐藤博史・岡島実 (2013)
死刑冤罪 戦後6事件をたどる— 里見繁 (2015)
誤判原因の実証的研究— 日本弁護士連合会人権擁護委員会 編 (2003)
制度改革の動向
鑑定資料の保全義務化、再鑑定の機会確保が議論されている。