白浜水難偽装殺人事件
野田 孝史(のだ たかし)
2017年7月、和歌山県白浜町の海水浴場でシュノーケリングをしていた妻・志帆さん(当時28歳)が溺れ、2日後に低酸素脳症で死亡した事件。夫の野田孝史氏は水難事故を装い妻を殺害した殺人罪で起訴された。野田氏は不倫相手との婚約・相手の妊娠を抱えており、事件前日に「溺死に見せかける」「完全犯罪ってできるんですか?」等のウェブ検索をしていたこと、妻に複数の生命保険を掛けていたことが状況証拠となった。一審の和歌山地裁(裁判員裁判)は、救命医の「胃から相当量の砂が出た」との証言と水難事故専門家の証言に基づき「海底付近で押さえつけ溺れさせた」として懲役19年。控訴審の大阪高裁(齋藤正人裁判長)は、一審の有罪根拠である「胃の中の砂」について「砂が廃棄されて存在しない中、量を認定するのは無理がある」と否定し、水難専門家の証言も「医学的知見に反し採用し得ない」と退けたが、検索履歴・保険契約等の間接事実を積み上げ「殺害計画と符合する溺死であり、計画とは無関係に自殺や事故が偶然に実現される可能性はおよそ考え難い」として有罪を維持した。元裁判官・西愛礼弁護士は「検索履歴を有罪の証拠に用いることには慎重であるべき」「殺害計画というストーリーの認定自体が有罪という結論の先取り(予断)になっていないか」と問題を指摘。2024年9月13日付で最高裁第二小法廷(草野耕一裁判長)が上告棄却決定し、懲役19年が確定。野田氏は取材に対し「それでも僕はやっていないと言いたい」と話している。
2017年7月、和歌山県白浜町の海水浴場でシュノーケリングをしていた妻・志帆さん(当時28歳)が溺れ、2日後に低酸素脳症で死亡した事件。夫の野田孝史氏は水難事故を装い妻を殺害した殺人罪で起訴された。野田氏は不倫相手との婚約・相手の妊娠を抱えており、事件前日に「溺死に見せかける」「完全犯罪ってできるんですか?」等のウェブ検索をしていたこと、妻に複数の生命保険を掛けていたことが状況証拠となった。一審の和歌山地裁(裁判員裁判)は、救命医の「胃から相当量の砂が出た」との証言と水難事故専門家の証言に基づき「海底付近で押さえつけ溺れさせた」として懲役19年。控訴審の大阪高裁(齋藤正人裁判長)は、一審の有罪根拠である「胃の中の砂」について「砂が廃棄されて存在しない中、量を認定するのは無理がある」と否定し、水難専門家の証言も「医学的知見に反し採用し得ない」と退けたが、検索履歴・保険契約等の間接事実を積み上げ「殺害計画と符合する溺死であり、計画とは無関係に自殺や事故が偶然に実現される可能性はおよそ考え難い」として有罪を維持した。元裁判官・西愛礼弁護士は「検索履歴を有罪の証拠に用いることには慎重であるべき」「殺害計画というストーリーの認定自体が有罪という結論の先取り(予断)になっていないか」と問題を指摘。2024年9月13日付で最高裁第二小法廷(草野耕一裁判長)が上告棄却決定し、懲役19年が確定。野田氏は取材に対し「それでも僕はやっていないと言いたい」と話している。
- 事件発生
- 2017年
- 被告人
- 野田 孝史(のだ たかし)
- 判決
- 一審:懲役19年(和歌山地裁・武田正裁判長、裁判員裁判) → 控訴審:控訴棄却(大阪高裁・齋藤正人裁判長) → 上告棄却で確定(2024年9月13日付、最高裁第二小法廷・草野耕一裁判長)
- 現在のステータス
- 有罪確定(冤罪を訴え続けている)
- 冤罪の原因
- 客観的証拠の欠如、鑑定の問題
タイムライン
和歌山県白浜町の海水浴場で、シュノーケリング中の妻・志帆さんが溺れ、搬送先の病院で2日後に低酸素脳症で死亡。夫の野田孝史氏はトイレに行っている間に溺れたと説明
不倫・保険金・「溺死に見せかける」等のウェブ検索履歴から、水難事故を装った殺人として起訴
和歌山地裁(武田正裁判長、裁判員裁判)が、救命医の「胃から相当量の砂が出た」との証言と水難事故専門家の証言を採用し「海底付近で押さえつけ溺れさせた」として懲役19年の判決
大阪高裁(齋藤正人裁判長)が、一審の有罪根拠(胃の中の砂の量・水難専門家証言)を否定しつつも、検索履歴・保険契約等の間接事実を積み上げ「殺害計画と符合する溺死」として有罪を維持。72ページの判決文、2時間半の判決言渡し
最高裁第二小法廷(草野耕一裁判長)が上告棄却決定。懲役19年が確定