テクノシステム事件
生田 尚之(いくた なおゆき)
2021年5月27日、太陽光発電関連会社「テクノシステム」(横浜市西区)社長の生田尚之氏が、東京地検特捜部に詐欺容疑で逮捕された。逮捕容疑は、2020年3〜7月に太陽光発電・バイオマス発電の設備を巡る虚偽の融資申込書等を提出し、阿波銀行から約7億5000万円、富士宮信用金庫から約4億1500万円の計約11億6500万円を詐取したというもの。同年6月16日に起訴され、信用組合からの約10億5000万円の詐取容疑で再逮捕され、最終的に詐取総額は約22億円とされる。さらに、2018〜19年にテクノ社の資金約3億9400万円をカジノでの借金返済に流用したとして、特別背任の罪でも追起訴された。
生田社長は逮捕後、41日連続で計205時間に及ぶ取調べを受けた。一貫して黙秘権を行使する意思を示したが、担当検事から「なめたらあかんわ」「検察庁を敵視するってことは反社や、完全に」「幼稚園児じゃないんやから、坊やじゃないんやから」などと侮辱・威迫を受けたと主張。弁護人が東京地検に7回苦情を申し出ても改善されなかったとされる。
2024年7月24日、生田氏は国に1100万円の損害賠償を求め東京地裁に提訴。同年11月13日の初公判で起訴内容を全面的に否認し、無罪を主張した。同年12月17日には、最高検が一部取調べを「不適正」と認定し、当時の担当検事を指導していたことが報道された。
2025年6月16日、東京地裁は生田被告の保釈を決定(保釈金3000万円)。逮捕から約4年ぶりの保釈となった。
2026年3月13日、東京地裁(中川正隆裁判長)は生田被告に懲役11年(求刑懲役13年)の判決を言い渡した。判決では、検察官の発言について「黙秘権を行使する被告に対し、追及や説得の域を超える発言があった」として「不相当と言わざるを得ない」と異例の言及をした。一方で「起訴は従業員らの供述や多数の客観的証拠に基づいてなされており、公判に影響を与えたとまでは言えない」として違法とまでは認定しなかった。生田被告側は控訴。
同年3月、東京高検は取調べ担当検事に対する特別公務員暴行陵虐容疑での告訴を「陵虐行為と認める証拠はない」として不起訴処分とした。生田氏側は2026年4月7日、検察審査会への審査申立てと付審判請求を行った。
本件は、プレサンス元社長事件と並んで特捜部の威迫的取調べ・人質司法問題の象徴的事案として、検察改革論議における重要事例となっている。
太陽光発電関連会社「テクノシステム」の生田尚之社長が、2020年に金融機関から融資金約22億円を詐取したとして東京地検特捜部に逮捕・起訴された事件。2026年3月に東京地裁で懲役11年判決(控訴中)。取調べでは検察官から「検察庁を敵視するのは反社や」等の威迫的言動があり、最高検が「不適正」と認定。本人は国賠訴訟、特別公務員暴行陵虐罪での刑事告訴・付審判請求を行っている。プレサンス事件と並ぶ特捜部の威迫的取調べ事案として注目される。
- 事件発生
- 2018年
- 被告人
- 生田 尚之(いくた なおゆき)
- 判決
- 一審 懲役11年(求刑13年)→ 控訴中
- 現在のステータス
- 公判中
- 冤罪の原因
- 人質司法、検察の暴走
タイムライン
2018年8月〜2019年4月にかけて、テクノ社資金計3億9400万円をカジノでの借金返済に充てたとされる(後に特別背任で起訴)
2020年3〜7月、虚偽の書類を金融機関に提出し、太陽光発電・バイオマス発電の設備融資名目で、阿波銀行・富士宮信用金庫など3社から計約22億3100万円を詐取したとされる
東京地検特捜部がテクノシステム本社(横浜市西区)および関係先を家宅捜索(27〜28日)
東京地検特捜部が生田尚之社長ら3人を詐欺容疑で逮捕。逮捕容疑は阿波銀行・富士宮信用金庫から計約11億6500万円を詐取したというもの
東京地検特捜部が生田被告ら3人を起訴。さらに信用組合から約10億5000万円を詐取したとして再逮捕
生田被告が、特捜検事による違法な取調べ(41日連続・計205時間、黙秘権侵害等)を理由に国に1100万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴
東京地裁で初公判。生田被告は起訴内容を全面的に否認し、無罪を主張
最高検が生田被告に対する一部の取調べを「不適正」と認定し、担当検事を指導していたことが報道された
東京地裁が生田被告の保釈を決定(保釈金3000万円)。逮捕から約4年ぶりの保釈
東京地裁(中川正隆裁判長)が懲役11年の判決(求刑13年)。判決では検察官発言について「追及や説得の域を超える」「不相当」と言及するも、起訴は客観的証拠に基づくとして検察の裁量逸脱は否定。生田被告側は控訴
東京高検が、取調べ担当検事に対する特別公務員暴行陵虐容疑での告訴を「陵虐行為と認める証拠はない」として不起訴処分(嫌疑不十分)
生田氏側が東京高検の不起訴処分を不服として、東京の検察審査会に審査申立て。同時に裁判所に付審判請求も提出