岡崎市立中央図書館事件(Librahack事件)
男性(Librahack氏、実名非公表)
2010年、岡崎市立中央図書館の蔵書検索システムに自作クローラでアクセスしていた男性が偽計業務妨害容疑で愛知県警に逮捕された。実際のクローラは1秒1アクセス程度の「礼儀正しい」もので、アクセス障害の真因は図書館側システム(MDIS製)の不具合だった。20日間の勾留後に起訴猶予処分。Winny事件・Coinhive事件と並ぶ「技術に対する司法の無理解」が問題化した事件として知られる。
2010年、岡崎市立中央図書館の蔵書検索システムに自作クローラでアクセスしていた男性が偽計業務妨害容疑で愛知県警に逮捕された。実際のクローラは1秒1アクセス程度の「礼儀正しい」もので、アクセス障害の真因は図書館側システム(MDIS製)の不具合だった。20日間の勾留後に起訴猶予処分。Winny事件・Coinhive事件と並ぶ「技術に対する司法の無理解」が問題化した事件として知られる。
- 事件発生
- 2010年
- 被告人
- 男性(Librahack氏、実名非公表)
- 判決
- 起訴猶予(約20日間の勾留)
- 現在のステータス
- 不起訴
- 冤罪の原因
- 見込み捜査、IT技術への理解不足・過剰規制、人質司法
タイムライン
2010年3月頃、岡崎市立中央図書館の蔵書検索システムにアクセス障害が発生。図書館側から市民への苦情対応が増える
岡崎市立中央図書館が愛知県岡崎警察署に被害届を提出
蔵書検索システムに高頻度のリクエストを故意に送りつけたとして、クローラを実行していた男性を偽計業務妨害容疑で逮捕
約20日間の勾留と取り調べの後、業務妨害の強い意図が認められないとして起訴猶予処分。男性が釈放される
男性が「Librahack」というサイトを立ち上げて事件の経緯と技術的な解説を公開。事件が広く議論されるきっかけとなる
三菱電機インフォメーションシステムズ(MDIS)が、問題のソフトウェアを大量のリクエストに対応できるよう改修。1時間400リクエスト以上で処理不能になる不具合が2006年の時点で解消されていたが、旧版のまま運用していた図書館には不具合情報が伝えられていなかったことが判明
2010年8月21日付の朝日新聞名古屋本社版朝刊(神田大介記者)で、図書館のシステムに不具合があったことが報道される。産業技術総合研究所・情報セキュリティ会社等3カ所の解析でも、男性のクローラに違法性はなく、図書館の蔵書検索システムに不具合が存在していたと認定
産総研主任研究員の高木浩光氏、京都大学学術情報メディアセンター准教授の上原哲太郎氏(当時)、JPCERT/CC広報担当者らが、攻撃用のプログラムとは明らかに違うとして捜査に疑問を呈する。全国図書館の横断検索サービス「カーリル」も同社が使用する技術は逮捕者のものと基本的に同様だと表明