DNA型鑑定の誤り
DNA型鑑定の誤りとは
DNA型鑑定は現在では極めて高い精度を持つ科学的証拠とされるが、初期の鑑定技術は精度に限界があった。特に1990年代以前に行われた鑑定では、技術的限界から誤った結論が導かれ、冤罪の原因となったケースがある。
足利事件
足利事件(1991年逮捕)では、当時のDNA鑑定法(MCT118法)の結果が有罪の中核的証拠とされた。しかし、2009年に最新の鑑定法(STR法)で再鑑定したところ、犯人のDNAと菅家氏のDNAが一致しないことが判明した。18年間の無実の服役を経て、2010年に無罪が確定した。
飯塚事件
飯塚事件でも同様にMCT118法によるDNA鑑定が有罪の根拠となった。しかし久間三千年氏は2008年に死刑が執行された後であり、再鑑定の機会は永久に失われた。現在、遺族が再審請求を継続している。
科学的証拠の限界
科学鑑定は「科学的」であるがゆえに裁判所に強い説得力を持つ。しかし科学は常に進歩するものであり、ある時点で「確実」とされた結論が後に覆される可能性がある。重要なのは、科学的証拠を絶対視せず、その限界と不確実性を常に意識することである。
用語解説
MCT118法初期のDNA型鑑定法。現在のSTR法と比べ精度が低く、誤判の原因となった
STR法現在主流のDNA鑑定法。個人識別精度が極めて高い
制度改革の動向
DNA鑑定の技術は飛躍的に進歩したが、過去の鑑定に基づく有罪判決の再検証は十分に行われていない。