飯塚事件
久間 三千年(くま みちとし)
1992年2月、福岡県飯塚市で登校中の小学1年生の女児2人が行方不明となり、翌日に遺体で発見された事件。1994年9月、久間三千年が逮捕・起訴された。直接証拠はなく、当時のMCT118型DNA鑑定と目撃証言、繊維鑑定などの間接証拠の積み重ねで有罪とされ、2006年に死刑が確定した。久間は一貫して無実を主張していたが、2008年10月28日、再審請求の準備中に死刑が執行された。
弁護団は久間の死後も遺族とともに再審請求を続けている。争点の中心は、確定判決の決め手となったMCT118型DNA鑑定の信頼性であり、弁護側は足利事件と同じ鑑定手法が用いられたことを指摘している。足利事件では再鑑定により冤罪が証明されたが、飯塚事件では試料が消費済みとされ、再鑑定が困難な状況にある。
死刑執行後に冤罪が明らかになれば取り返しのつかない過ちとなる。飯塚事件は死刑制度の不可逆性と、科学鑑定の信頼性の問題を最も先鋭に問いかける事件であり、日弁連も再審請求を支援している。
1992年、福岡県飯塚市で女児2人が殺害された事件。久間三千年が逮捕され2006年に死刑確定。2008年に死刑執行。MCT118法によるDNA鑑定の信頼性が問題視され、遺族が再審請求中。死刑執行後の再審請求という極めて稀なケース。
- 事件発生
- 1992年
- 被告人
- 久間 三千年(くま みちとし)
- 判決
- 死刑(執行済み)
- 現在のステータス
- 再審進行中
- 冤罪の原因
- DNA型鑑定の誤り、目撃証言の問題
タイムライン
福岡県飯塚市で女児2人が殺害される
殺人容疑で逮捕。MCT118法によるDNA鑑定が証拠
福岡地裁が死刑判決
福岡高裁が控訴を棄却
2006年10月8日、最高裁が上告を棄却。死刑確定
2008年10月28日、死刑執行
久間氏の遺族が福岡地裁に再審請求を提出
第1次再審請求棄却
2018年2月6日、福岡高裁が第1次再審請求の即時抗告を棄却
2021年4月21日、最高裁が第1次再審請求に関する特別抗告を棄却
2021年7月9日、第2次再審請求
2024年6月5日、福岡地裁が第2次再審請求を棄却
2026年2月16日、福岡高裁が第2次再審請求について即時抗告を棄却
参考リンク
参考文献
名張事件と大崎事件第4次再審を巻頭特集。北海道庁爆破事件・狭山事件・飯塚事件・Coinhive事件・大川原化工機事件・天竜林業高校事件なども収録。燦燈出版。
Amazonで見る ↗冤罪死刑囚八人の書画集。飯塚事件(久間三千年)、埼玉愛犬家連続殺人事件(風間博子)、三鷹事件(竹内景助)、帝銀事件(平沢貞通)、鶴見事件(高橋和利)、三崎事件(荒井政男)、山梨キャンプ場殺人事件(阿佐吉廣)、波崎事件(冨山常喜)の各章で構成。本人の手記・書画・遺筆や、支援者・家族との往復書簡などを収録。
Amazonで見る ↗30年間テレビドキュメンタリーを制作してきた元MBS記者・里見繁が、現地取材やドキュメンタリー番組の放送をもとに9件の冤罪事件をルポ。布川事件、足利事件、飯塚事件、京浜急行・痴漢冤罪事件、袴田事件、日野町事件、福井・女子中学生殺人事件、浜松幼児せっかん死事件、大阪高槻市・選挙違反事件を収録。日本の司法制度の構造的欠陥から冤罪が生み出されると論じる。インパクト出版会刊。
Amazonで見る ↗免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件の四大死刑再審無罪事件の雪冤後の波乱の人生をたどり、再審開始が決定した袴田事件、無実を証明する前に処刑された飯塚事件を徹底検証する。冤罪そのものの構造と、雪冤の先に何があるのかを綴る。インパクト出版会刊。
Amazonで見る ↗1992年に福岡県飯塚市で2人の女児が殺害された飯塚事件を追ったドキュメンタリー映画。DNA型鑑定などによって犯人とされた久間三千年は2006年に最高裁で死刑確定、2008年に刑執行された。弁護士、元警察官、新聞記者という立場を異にする当事者たちが語る〈真実〉と〈正義〉を突き合わせ、司法の姿を浮き彫りにする。2022年NHK BS1スペシャル「正義の行方~飯塚事件 30年後の迷宮~」(令和4年度文化庁芸術祭テレビドキュメンタリー部門大賞)を劇場版化。158分・東風配給・第98回キネマ旬報ベスト・テン文化映画部門1位。2026年4月よりNetflix配信中。
公式サイト ↗


