行政書士法違反被告事件(観賞用家系図事件)
匿名
行政書士資格を持たない被告人は、行政書士である共犯者と共謀し、共犯者から職務上請求用紙を買い取って不正に戸籍謄本を取り寄せ、依頼者の観賞用・記念用の家系図を作成して報酬を得たとして、行政書士法違反(無資格者による「事実証明に関する書類」の作成)に問われた。
一審の札幌地裁網走支部は行政書士法違反を認めて被告人を懲役8月・執行猶予2年とし、二審の札幌高裁もこれを維持した。被告人は上告し、2010年12月20日、最高裁第一小法廷は、個人の鑑賞・記念のために作成された家系図は行政書士法にいう「事実証明に関する書類」には当たらないとして、原判決および第一審判決を破棄し、無罪を言い渡した(刑訴法411条1号)。宮川光治裁判長は補足意見で、「事実証明に関する書類」は官公署への提出書類に匹敵する程度に社会生活上の意味を有するものに限定して解釈すべきだと述べた。
被告人に職務上請求用紙を売り渡した共犯の行政書士は、本件一審判決前に行政書士法違反の共犯として罰金の略式命令が既に確定していた。最高裁の無罪判決を受け、笠間治雄検事総長は、同一の証拠・認定事実で有罪となっていた別の共犯者2名についても非常上告を申し立てた。2011年12月9日、最高裁第二小法廷(古田佑紀裁判長)は「証拠も認定事実も同一で、無罪となった男性と別個に評価すべき事情がない」として略式命令を破棄し、この2名にも無罪を言い渡した(平成23(さ)1・破棄自判)。国側が自ら既に確定していた有罪判断を覆すために動いた、異例の経過である。
日本行政書士会連合会は判決後、「観賞用・記念用の家系図」は事実証明文書に当たらないとしても、遺産分割協議書の作成に必要な親族関係図・相続関係説明図の作成については本判決と無関係であるとの見解を示している。
行政書士資格を持たない被告人は、行政書士である共犯者と共謀し、共犯者から職務上請求用紙を買い取って不正に戸籍謄本を取り寄せ、依頼者の観賞用・記念用の家系図を作成して報酬を得たとして、行政書士法違反(無資格者による「事実証明に関する書類」の作成)に問われた。 一審の札幌地裁網走支部は行政書士法違反を認めて被告人を懲役8月・執行猶予2年とし、二審の札幌高裁もこれを維持した。被告人は上告し、2010年12月20日、最高裁第一小法廷は、個人の鑑賞・記念のために作成された家系図は行政書士法にいう「事実証明に関する書類」には当たらないとして、原判決および第一審判決を破棄し、無罪を言い渡した(刑訴法411条1号)。宮川光治裁判長は補足意見で、「事実証明に関する書類」は官公署への提出書類に匹敵する程度に社会生活上の意味を有するものに限定して解釈すべきだと述べた。 被告人に職務上請求用紙を売り渡した共犯の行政書士は、本件一審判決前に行政書士法違反の共犯として罰金の略式命令が既に確定していた。最高裁の無罪判決を受け、笠間治雄検事総長は、同一の証拠・認定事実で有罪となっていた別の共犯者2名についても非常上告を申し立てた。2011年12月9日、最高裁第二小法廷(古田佑紀裁判長)は「証拠も認定事実も同一で、無罪となった男性と別個に評価すべき事情がない」として略式命令を破棄し、この2名にも無罪を言い渡した(平成23(さ)1・破棄自判)。国側が自ら既に確定していた有罪判断を覆すために動いた、異例の経過である。 日本行政書士会連合会は判決後、「観賞用・記念用の家系図」は事実証明文書に当たらないとしても、遺産分割協議書の作成に必要な親族関係図・相続関係説明図の作成については本判決と無関係であるとの見解を示している。
- 事件発生
- 2006年
- 被告人
- 匿名
- 判決
- 行政書士法違反で起訴 → 一審(札幌地裁網走支部):懲役8月・執行猶予2年 → 控訴審(札幌高裁):控訴棄却(有罪維持)→ 上告審:原判決および第一審判決を破棄・無罪(2010年12月20日、最高裁第一小法廷)
- 現在のステータス
- 無罪確定
- 冤罪の原因
- 法令解釈の問題
タイムライン
2006年から2007年にかけて、無資格で戸籍を取り寄せ観賞用家系図を作成・販売した行為が問題化
行政書士でないのに観賞用家系図を作成したとして、北海道警が介護士の男性を行政書士法違反の容疑で逮捕した。
観賞用家系図の作成が行政書士法違反として起訴された(月日は未確認)。
有罪判決
控訴棄却
2010年12月20日、最高裁が逆転無罪判決
笠間治雄検事総長の非常上告を受け、最高裁第二小法廷(古田佑紀裁判長)が、既に確定していた共犯者2名の略式命令を破棄し無罪を言い渡した(平成23(さ)1・破棄自判)。