東京女子医大プロポフォール事件
匿名(元後期研修医)
東京女子医大病院で2014年2月、頸部リンパ管腫の治療を受けた当時2歳の男児が、集中治療室で人工呼吸中の小児には添付文書上「禁忌」とされる鎮静剤プロポフォールを約70時間にわたり成人の適切量の約2.7倍に当たる大量投与され、プロポフォール注入症候群により死亡した。事故から約6年8カ月後の2020年10月、警視庁は医師6人を業務上過失致死容疑で書類送検し、東京地検は2021年1月、うちICU現場責任者だった元准教授と当時の後期研修医の2人を在宅起訴した。
2026年5月29日、東京地裁(細谷泰暢裁判長)は、プロポフォールの副作用による死亡を認定したうえで、大量・長時間の投与を継続し心電図異常後も中止しなかった元准教授について「他の専門医なら到底行わない」として注意義務違反を認め有罪(禁錮1年6月・執行猶予3年)とした一方、研修医については、当時専門医資格がなく鎮静剤の選択を日常的に行っていなかった点などから「死亡を具体的に予見できたとするには合理的な疑いが残る」として無罪を言い渡した。元准教授は控訴したが、検察は研修医の無罪については控訴せず、2026年6月15日に無罪が確定した。
本件は、現実の重大な医療過誤(責任者は有罪認定)という性格を持つ一方で、専門医資格を持たず指導医の指示下にあった研修医までもが長期にわたり刑事被告人の立場に置かれた点に、医療行為の刑事化をめぐる構造的問題が表れている。研修医は逮捕こそされなかったものの、書類送検から無罪確定まで約5年半にわたり刑事訴追にさらされた。
東京女子医大病院で2014年2月、頸部リンパ管腫の治療を受けた当時2歳の男児が、集中治療室で人工呼吸中の小児には添付文書上「禁忌」とされる鎮静剤プロポフォールを約70時間にわたり成人の適切量の約2.7倍に当たる大量投与され、プロポフォール注入症候群により死亡した。事故から約6年8カ月後の2020年10月、警視庁は医師6人を業務上過失致死容疑で書類送検し、東京地検は2021年1月、うちICU現場責任者だった元准教授と当時の後期研修医の2人を在宅起訴した。 2026年5月29日、東京地裁(細谷泰暢裁判長)は、プロポフォールの副作用による死亡を認定したうえで、大量・長時間の投与を継続し心電図異常後も中止しなかった元准教授について「他の専門医なら到底行わない」として注意義務違反を認め有罪(禁錮1年6月・執行猶予3年)とした一方、研修医については、当時専門医資格がなく鎮静剤の選択を日常的に行っていなかった点などから「死亡を具体的に予見できたとするには合理的な疑いが残る」として無罪を言い渡した。元准教授は控訴したが、検察は研修医の無罪については控訴せず、2026年6月15日に無罪が確定した。 本件は、現実の重大な医療過誤(責任者は有罪認定)という性格を持つ一方で、専門医資格を持たず指導医の指示下にあった研修医までもが長期にわたり刑事被告人の立場に置かれた点に、医療行為の刑事化をめぐる構造的問題が表れている。研修医は逮捕こそされなかったものの、書類送検から無罪確定まで約5年半にわたり刑事訴追にさらされた。
- 事件発生
- 2014年
- 被告人
- 匿名(元後期研修医)
- 判決
- 一審:無罪(求刑 禁錮1年)→ 検察が控訴せず無罪確定。共同被告人の元准教授(麻酔科医・ICU現場責任者)は禁錮1年6月・執行猶予3年の有罪となり控訴中。
- 現在のステータス
- 無罪確定
- 冤罪の原因
- 医療・介護の刑事化
タイムライン
東京女子医大病院で頸部リンパ管腫の治療を受けた当時2歳の男児が、人工呼吸中の小児には禁忌とされる鎮静剤プロポフォールを約70時間・大量に投与され、急性循環不全で死亡した。
事故から約6年8カ月後、警視庁が業務上過失致死容疑で担当医師6人を東京地検に書類送検した。
東京地検が、ICU現場責任者だった元准教授と当時の後期研修医の2人を業務上過失致死罪で在宅起訴した(逮捕・勾留はなし)。
東京地裁で公判が始まった。両被告は投与と死亡に因果関係はないなどとして無罪を主張した。
東京地裁はプロポフォールの副作用による死亡を認定。元准教授に禁錮1年6月・執行猶予3年(求刑同)の有罪、元研修医には「死亡を具体的に予見できたとするには合理的な疑いが残る」として無罪(求刑 禁錮1年)を言い渡した。
有罪判決を受けた元准教授側が東京高裁に控訴した。
東京地検が元研修医の無罪判決について控訴しないことを明らかにし、無罪が確定した。