2003年4月13日施行の鹿児島県議会議員選挙に関して、候補者・運動員・住民ら合計13名が公職選挙法違反(買収)の嫌疑で逮捕・起訴された一連の集団冤罪事件。本件は下記3つの系統からなる。①「ビール口・焼酎口事件(踏み字事件)」:運動員であったホテル経営者の任意取調べで、取調官が被疑者の実父・義父・孫に「お前をこんな人間に育てた覚えはない」等と書かせる体裁の紙を踏ませる「踏み字」が行われ、弁護人要請無視、退去の自由侵害、令状なき身体捜索等の違法捜査が発覚。②「現金供与事件」:付近住民8名が取調べを受けたが立件されず。③「買収会合事件」:志布志町のわずか7世帯しかない集落で4回の会合が開かれ計191万円が授受されたとされ、住民13名が起訴された。13名のうち6名に「自白」調書が作成されたが、国家公安委員会委員長主催の研究会ヒアリングで取調官から「お前を死刑にしてやる」「認めないと地獄に行くぞ」等の威迫があったこと、机を拳で叩き足で蹴飛ばしたこと、現金受領現場見取図を刑事が下書きしたこと等が明らかになった。第1回公判前日には検察官が被告人に弁護人との接見内容を聴取、弁護人解任請求まで行った異常事態が発生。2007年2月23日、鹿児島地裁は自白にアリバイ矛盾があること、7世帯しかない集落で同じ顔ぶれの買収会合を複数回開く不合理性、現金の原資・使途不明等を指摘し、捜査・公判両段階での自白の信用性をいずれも否定して、判決前死亡の1名を除く12名全員に無罪判決。検察は控訴せず無罪確定。踏み字事件(2007/1/18)、秘密交通権侵害(2007/10/9)、違法取調べ・違法起訴(2015/5/15)の3件の国家賠償請求訴訟で、それぞれ鹿児島県・国に対する賠償命令判決が確定している。
2003年4月13日施行の鹿児島県議会議員選挙に関して、候補者・運動員・住民ら合計13名が公職選挙法違反(買収)の嫌疑で逮捕・起訴された一連の集団冤罪事件。本件は下記3つの系統からなる。①「ビール口・焼酎口事件(踏み字事件)」:運動員であったホテル経営者の任意取調べで、取調官が被疑者の実父・義父・孫に「お前をこんな人間に育てた覚えはない」等と書かせる体裁の紙を踏ませる「踏み字」が行われ、弁護人要請無視、退去の自由侵害、令状なき身体捜索等の違法捜査が発覚。②「現金供与事件」:付近住民8名が取調べを受けたが立件されず。③「買収会合事件」:志布志町のわずか7世帯しかない集落で4回の会合が開かれ計191万円が授受されたとされ、住民13名が起訴された。13名のうち6名に「自白」調書が作成されたが、国家公安委員会委員長主催の研究会ヒアリングで取調官から「お前を死刑にしてやる」「認めないと地獄に行くぞ」等の威迫があったこと、机を拳で叩き足で蹴飛ばしたこと、現金受領現場見取図を刑事が下書きしたこと等が明らかになった。第1回公判前日には検察官が被告人に弁護人との接見内容を聴取、弁護人解任請求まで行った異常事態が発生。2007年2月23日、鹿児島地裁は自白にアリバイ矛盾があること、7世帯しかない集落で同じ顔ぶれの買収会合を複数回開く不合理性、現金の原資・使途不明等を指摘し、捜査・公判両段階での自白の信用性をいずれも否定して、判決前死亡の1名を除く12名全員に無罪判決。検察は控訴せず無罪確定。踏み字事件(2007/1/18)、秘密交通権侵害(2007/10/9)、違法取調べ・違法起訴(2015/5/15)の3件の国家賠償請求訴訟で、それぞれ鹿児島県・国に対する賠償命令判決が確定している。
- 事件発生
- 2003年
- 被告人
- 藤山忠ほか13名
- 判決
- 被告人12名全員無罪(2007年2月23日、鹿児島地裁、判決前に1名死亡)
- 現在のステータス
- 無罪確定
- 冤罪の原因
- 自白強要、長時間の取調べ、見込み捜査、人質司法、検察の暴走
- 支援
- 日本弁護士連合会
タイムライン
本件選挙の投開票。曽於郡区から立候補した候補者が当選
運動員であったホテル経営者に対する任意取調べ開始。令状なき身体捜索、退去の自由侵害、弁護人要請無視。4月16日には警部補が被疑者の実父・義父・孫による叱責を装った文章を書いた紙を足下に置き両足を掴んで踏ませる「踏み字」を実施
取調べのストレスから吐き気・頭痛で起床不能となり、同月30日まで入院
選挙運動員を公選法違反容疑で逮捕。以後身柄拘束、5月13日に処分保留で釈放
1回目会合関連で運動員を含む6名を公選法違反で起訴
4回目会合に関し、候補者・その妻・運動員を含む8名を逮捕
第1回公判期日の前日、検察官が勾留中の被告人の1人を訪問し、弁護人との接見内容を聴取して調書を作成
鹿児島地裁で第1回公判。13名中10名が当初から無罪主張、自白した3名もその後否認に転じた
裁判所が国選弁護人を解任。鹿児島県弁護士会が弁護活動への重大な侵害行為として抗議し、国選弁護人推薦を一時停止
4回目会合関連で運動員夫妻を含む10名、および1回目・4回目会合に関し候補者夫妻を起訴
2回目・3回目会合に関し候補者夫妻および運動員を含む6名を起訴
2回目会合に関し運動員を含む2名、および候補者夫妻を起訴
1回目会合に関し候補者・運動員および住民1名を起訴。以後合計13名が被告人に
審理を担当した合議体の裁判長が定年を待たずに退官
鹿児島地裁が、警部補の不法な有形力行使・退去の自由制約・令状なき身体捜索等の違法行為を認定し、鹿児島県に賠償を命じる判決
鹿児島地裁が判決。①自白どおりなら会合出席の被告人にアリバイ存在、②7世帯しかない集落での同じ顔ぶれの買収会合に選挙運動としての実効性への疑問、③供与現金の原資・使途が未解明、④長時間の取調べで苦し紛れの供述や誘導を受容したと見る余地等を指摘し、捜査・公判両段階の自白の信用性を否定。判決前死亡の1名を除く12名全員に無罪。54回の公判期日を経た
検察官が控訴せず無罪判決が確定
鹿児島地裁が、警察官および検察官らが被疑者・被告人らの取調べ時に弁護人との接見内容を聴取し供述調書に録取したことは秘密交通権の侵害であると認定し、鹿児島県および国に賠償を命じる判決
鹿児島地裁が、鹿児島県警の警察官らによる違法な取調べ、警察官による弁護権侵害、検察官および警察官らによる違法な捜査、検察官による違法な起訴を認定し、鹿児島県および国に賠償を命じる判決