大阪地裁所長襲撃事件
D・E(成人2名、匿名)、少年A・B・C(匿名)
2004年2月16日夜、大阪市住吉区の住宅街で、徒歩で帰宅中の大阪地方裁判所所長・鳥越健治が4人組の若者に襲われ、現金6万3千円を強奪された上に骨盤骨折など全治2ヶ月の重傷を負った強盗致傷事件。大阪府警は捜査が難航する中、補導歴や不登校など問題行動のある少年をしらみつぶしに調べ、少年A(16歳)・B(14歳)・C(13歳)を犯行に関与したと断定し逮捕・補導。少年Cは「初めはやっていないと言ったけど、言っても言っても聞いてくれなくて、脅されたりして」と語るように、推定有罪的な取調べにより自白を強要された。警察は少年らの供述から成人のD・Eも逮捕し、担当刑事を本部長表彰した。しかしD・Eは一貫して無罪を主張。弁護団が、警察が押収していた防犯カメラ映像の科学鑑定を行っていなかった事実を突き止め、専門家に分析を依頼した結果、映像内の人物とD・Eの片方の身長差が15cm以上あることが判明。さらに犯行を自供したCが犯行時刻に現場から遠く離れた自宅付近でメール送受信していたことも発覚し、警察が防犯カメラの分析も携帯電話のチェックも行わず、見込み捜査のみで供述の裏付け・アリバイ潰しをしていなかったことが明らかになった。D・Eは2006年に一審無罪、2008年に二審も無罪確定。少年Bは最高裁で不処分確定、少年Aも処分取消が確定し、全員の無罪・不処分が確定した。真犯人は特定できず2019年に公訴時効が成立。国賠訴訟では取調べの違法が認定され約1500万円の賠償が命じられたが、法廷で大阪府警の警察官が「今でもクロだと思う」「裁判はたまたま無罪になっているだけ」と証言し批判を浴びた。
2004年2月16日夜、大阪市住吉区の住宅街で、徒歩で帰宅中の大阪地方裁判所所長・鳥越健治が4人組の若者に襲われ、現金6万3千円を強奪された上に骨盤骨折など全治2ヶ月の重傷を負った強盗致傷事件。大阪府警は捜査が難航する中、補導歴や不登校など問題行動のある少年をしらみつぶしに調べ、少年A(16歳)・B(14歳)・C(13歳)を犯行に関与したと断定し逮捕・補導。少年Cは「初めはやっていないと言ったけど、言っても言っても聞いてくれなくて、脅されたりして」と語るように、推定有罪的な取調べにより自白を強要された。警察は少年らの供述から成人のD・Eも逮捕し、担当刑事を本部長表彰した。しかしD・Eは一貫して無罪を主張。弁護団が、警察が押収していた防犯カメラ映像の科学鑑定を行っていなかった事実を突き止め、専門家に分析を依頼した結果、映像内の人物とD・Eの片方の身長差が15cm以上あることが判明。さらに犯行を自供したCが犯行時刻に現場から遠く離れた自宅付近でメール送受信していたことも発覚し、警察が防犯カメラの分析も携帯電話のチェックも行わず、見込み捜査のみで供述の裏付け・アリバイ潰しをしていなかったことが明らかになった。D・Eは2006年に一審無罪、2008年に二審も無罪確定。少年Bは最高裁で不処分確定、少年Aも処分取消が確定し、全員の無罪・不処分が確定した。真犯人は特定できず2019年に公訴時効が成立。国賠訴訟では取調べの違法が認定され約1500万円の賠償が命じられたが、法廷で大阪府警の警察官が「今でもクロだと思う」「裁判はたまたま無罪になっているだけ」と証言し批判を浴びた。
- 事件発生
- 2004年
- 被告人
- D・E(成人2名、匿名)、少年A・B・C(匿名)
- 判決
- D・E:一審無罪(2006年3月20日、大阪地裁)→ 二審無罪確定(2008年4月17日)/少年B:家裁送致→少年院送致→差戻し→不処分確定(2008年7月11日、最高裁)/少年A:少年院送致→処分取消確定(2008年9月17日)
- 現在のステータス
- 全員無罪・不処分確定
- 冤罪の原因
- 自白強要、見込み捜査、裏付け捜査の懈怠、客観的証拠の欠如
タイムライン
大阪市住吉区で帰宅中の大阪地裁所長・鳥越健治が4人組の若者に襲われ、現金6万3千円を強奪され骨盤骨折など全治2ヶ月の重傷
大阪府警が補導歴等のある少年をしらみつぶしに捜査し、少年A(16歳)・B(14歳)を強盗致傷容疑で逮捕、C(13歳)を補導。少年らは推定有罪的な取調べにより自白
少年らの供述から成人D・Eを逮捕。D・Eは一貫して無罪を主張。担当刑事は本部長表彰を受ける
大阪地裁が強盗致傷の罪に問われているD・Eを全面否認のまま保釈するという異例の決定。弁護団が防犯カメラ映像の科学鑑定未実施を突き止め、身長差15cm以上の不一致や少年Cのアリバイ(メール記録)が判明
大阪地裁がD・Eに無罪判決
二審も無罪判決が出てD・Eの無罪が確定
最高裁第三小法廷(田原睦夫裁判長)が大阪高裁の差戻し決定を取り消し、不処分が確定。少年院送致→差戻し→不処分→検察抗告→再差戻し→最高裁で不処分確定という異例の経過
大阪高裁が検察側の抗告を棄却し、大阪家裁の少年院送致処分取消が確定。全5人の無罪・不処分が確定
大阪地裁(吉田徹裁判長)が取調べの違法を認定し、総額約1500万円の賠償を命じた。法廷で大阪府警の警察官が「今でもクロだと思う」「裁判はたまたま無罪になっているだけ」と証言し批判を浴びた
真犯人を特定できないまま公訴時効が成立