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美濃加茂市長事件

藤井 浩人(ふじい ひろと)

冤罪の疑い有罪確定

2013年6月に当時28歳の全国最年少市長として就任した藤井浩人氏が、2014年6月24日、市議時代の2013年に市内中学校への浄水設備導入をめぐり業者から計30万円の賄賂を受け取ったとして、事前収賄等の容疑で逮捕・起訴された事件。藤井氏は捜査段階から一貫して無罪を主張。贈賄を証言した浄水設備販売会社社長Nは、別途3億7800万円超の融資詐欺で逮捕されており、その取調中に検察と取引するような形で藤井氏への贈賄を証言したものであった。金銭授受の物証はなく、Nの証言も同席者・場所等につき変遷していた。2015年3月5日、名古屋地裁はN証言の信用性を否定し無罪判決。検察が控訴。2016年11月、名古屋高裁は被告人質問を行わないまま新証拠も無いまま逆転有罪(懲役1年6月・執行猶予3年・追徴金30万円)を言い渡した。藤井氏は控訴審判決を受けて2016年12月19日に出直し市長選のため辞職、2017年1月29日の出直し選で圧勝再選、5月にも無投票3選。2017年12月11日に最高裁第三小法廷が上告棄却決定(13日に判明)、12月14日に再辞職し公民権停止。2021年11月30日に名古屋高裁へ再審請求するも2023年2月1日棄却、12月25日付の異議申立棄却決定で再審断念。公民権停止満了後の2022年1月の市長選で返り咲き当選。郷原信郎弁護士が主任弁護人を務め、「日本版司法取引」の危険性を露呈した事例として広く批判された。

逮捕年
2014
無罪確定年
期間
4年
確定判決
一審:無罪(2015年3月5日、名古屋地裁) → 控訴審:懲役1年6月・執行猶予3年・追徴金30万円(2016年11月、名古屋高裁) → 上告棄却で確定(2017年12月13日、最高裁第三小法廷)
都道府県
岐阜県
地域
中部
捜査機関
岐阜県警
時代
現代
刑事手続き進行度
捜査
逮捕
起訴
一審
控訴審
上告審
確定
服役
再審
逮捕起訴一審無罪控訴審有罪確定再審請求棄却(2023年)
通過有罪等無罪等進行中

2013年6月に当時28歳の全国最年少市長として就任した藤井浩人氏が、2014年6月24日、市議時代の2013年に市内中学校への浄水設備導入をめぐり業者から計30万円の賄賂を受け取ったとして、事前収賄等の容疑で逮捕・起訴された事件。藤井氏は捜査段階から一貫して無罪を主張。贈賄を証言した浄水設備販売会社社長Nは、別途3億7800万円超の融資詐欺で逮捕されており、その取調中に検察と取引するような形で藤井氏への贈賄を証言したものであった。金銭授受の物証はなく、Nの証言も同席者・場所等につき変遷していた。2015年3月5日、名古屋地裁はN証言の信用性を否定し無罪判決。検察が控訴。2016年11月、名古屋高裁は被告人質問を行わないまま新証拠も無いまま逆転有罪(懲役1年6月・執行猶予3年・追徴金30万円)を言い渡した。藤井氏は控訴審判決を受けて2016年12月19日に出直し市長選のため辞職、2017年1月29日の出直し選で圧勝再選、5月にも無投票3選。2017年12月11日に最高裁第三小法廷が上告棄却決定(13日に判明)、12月14日に再辞職し公民権停止。2021年11月30日に名古屋高裁へ再審請求するも2023年2月1日棄却、12月25日付の異議申立棄却決定で再審断念。公民権停止満了後の2022年1月の市長選で返り咲き当選。郷原信郎弁護士が主任弁護人を務め、「日本版司法取引」の危険性を露呈した事例として広く批判された。

事件発生
2013
被告人
藤井 浩人(ふじい ひろと)
判決
一審:無罪(2015年3月5日、名古屋地裁) → 控訴審:懲役1年6月・執行猶予3年・追徴金30万円(2016年11月、名古屋高裁) → 上告棄却で確定(2017年12月13日、最高裁第三小法廷)
現在のステータス
一審無罪→控訴審逆転有罪→確定(再審請求棄却)
冤罪の原因
客観的証拠の欠如、共犯者の虚偽供述、検察の暴走

タイムライン

事件不利有利手続事後
2013.06.02美濃加茂市長就任

藤井浩人氏が美濃加茂市長選で初当選。当時28歳、全国最年少市長

2014.06.24藤井市長 逮捕

市議時代の2013年に市立中学校への浄水設備導入の見返りに業者から計30万円の賄賂を受け取ったとして、事前収賄等の容疑で逮捕。21日間の取調・62日間の勾留

贈賄を証言した業者Nは、別途3億7800万円超の融資詐欺で先に逮捕されていた
捜査:岐阜県警
2015.03.05一審 無罪判決

名古屋地裁が、贈賄供述者Nの証言は信用できないとして藤井氏に無罪を言い渡し。贈賄側と検察の間に虚偽の口裏合わせがあった可能性が排除できないことも無罪理由の一つに挙げられた。検察が控訴

2016.11控訴審 逆転有罪

名古屋高裁が被告人質問を行わず、新たな証拠も提示されないまま、検察側証拠の解釈を変更して逆転有罪判決(懲役1年6月・執行猶予3年・追徴金30万円)を言い渡した

2016.12.19出直し選挙のため辞職

藤井氏が出直し市長選への立候補のため辞職

2017.01.29出直し市長選で再選

出直し市長選で19,088票・得票率82.30%で圧勝再選。同年5月にも無投票で3選

2017.12.11最高裁 上告棄却

最高裁第三小法廷が上告を棄却する決定。13日に判明。決定は事案を異にする判例を引用するものであり実質は単なる法令違反・事実誤認の主張で刑訴法405条の上告理由に当たらないとの三行半判断。著書『青年市長は“司法の闇”と闘った』発売直後の決定

2017.12.14辞職・公民権停止

藤井氏が再辞職。最高裁が異議申立を退ける決定をし名古屋高裁判決が確定、公民権停止

2020.12.26執行猶予満了

執行猶予3年が満了

2021.11.30名古屋高裁に再審請求

藤井氏が名古屋高裁に再審請求。確定判決が有罪の根拠とした贈賄側供述の信用性を崩す関係者陳述書等を新証拠として提出

2022.01市長選で返り咲き当選

美濃加茂市長選で返り咲き当選(4期目)

2023.02.01再審請求棄却

名古屋高裁が再審請求を棄却。新証拠は「無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たらない」と判断

2023.12.25再審請求異議申立棄却

名古屋高裁(杉山慎治裁判長)が再審請求異議申立を棄却

参考文献

冤罪と闘う 私はなぜもう一度立たなければならないのか
冤罪と闘う 私はなぜもう一度立たなければならないのか
藤井浩人 (2021) — 書籍

美濃加茂市長事件の当事者・藤井浩人氏による手記。全国最年少で岐阜県美濃加茂市長に当選するも、身に覚えのない収賄容疑で警察に連行され、62日間の勾留、一審無罪→二審逆転有罪→最高裁で有罪確定、辞職という8年を超える冤罪との闘いを記録。「美濃加茂市を焼け野原にしてやる」という取調官の暴言、2万筆超の署名を踏みにじる人質司法、詐欺師(贈賄供述者)と検事の「結託」、再審請求への道など、当事者だけが知り得る詳細な事実を綴る。解説は元「週刊朝日」編集長 山口一臣。江川紹子氏が推薦のことばを寄せている。

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青年市長は"司法の闇"と闘った 美濃加茂市長事件における驚愕の展開
青年市長は"司法の闇"と闘った 美濃加茂市長事件における驚愕の展開
郷原信郎 (2017) — 書籍

美濃加茂市長事件の主任弁護人・郷原信郎弁護士(元東京地検特捜部検事)による事件解説書。全国最年少市長・藤井浩人氏に降りかかった身に覚えのない浄水プラント収賄疑惑について、贈賄供述者が4億円近い融資詐欺の取調中で余罪が不問にされていた点を「ヤミ司法取引」と問題視。一審無罪判決の論理、控訴審の迷走、驚愕の逆転有罪判決に至る経緯を解説する。出版直後の2017年12月11日に最高裁が上告棄却決定し、藤井氏は12月14日に辞職を余儀なくされた。

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