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板橋強制わいせつ事件

匿名

冤罪無罪確定

東京都板橋区内のマンション前の通路で、下校途中の9歳の少女が、男に階段踊り場へ連れ込まれてわいせつな行為を受けたとされる事件。少女は事件から数日後に友人へ打ち明けたことをきっかけに、担任・母親を通じて警察に伝わり、マンション管理人が「犯人は被告人だと思う」と証言したことなどから、被告人が強制わいせつ罪で起訴された。

一審は、少女の犯人識別供述(容貌・特徴等から犯人を特定する供述)の信用性に疑問を残すとして無罪を言い渡したが、控訴審は少女の供述の信用性を認め、逆転有罪(懲役1年2月の実刑)とした。

1989年10月26日、最高裁判所は控訴審判決を破棄し、被告人に無罪を言い渡した。判決は、人物の同一性識別供述は成人でも正確性が問題となる場合が少なくないところ、小学4年生程度の年少者は被暗示性が強いため、その供述の信用性については特に慎重に吟味する必要があると判示した。少女が事件当時から犯人を「以前に見かけたことのある人物」と認識していたとする控訴審の判断についても、同級生との会話等を通じて暗示を受けた可能性を否定できないとして、信用性に疑問を呈した。

本件は、年少者による犯人識別供述の証明力に関する重要な最高裁判例として、法学教育や刑事弁護の実務で広く参照されている。渡部保夫『無罪の発見』(勁草書房)でも独立の章を割いて分析されている。

逮捕年
1985
無罪確定年
1989
期間
4年
確定判決
一審:無罪 → 控訴審:逆転有罪(懲役1年2月・実刑)→ 上告審:原判決破棄・無罪
都道府県
東京都
地域
関東
捜査機関
警視庁
時代
現代
刑事手続き進行度
捜査
逮捕
起訴
一審
控訴審
上告審
確定
服役
再審
逮捕勾留起訴一審無罪控訴審有罪最高裁逆転無罪
通過有罪等無罪等進行中

東京都板橋区内のマンション前の通路で、下校途中の9歳の少女が、男に階段踊り場へ連れ込まれてわいせつな行為を受けたとされる事件。少女は事件から数日後に友人へ打ち明けたことをきっかけに、担任・母親を通じて警察に伝わり、マンション管理人が「犯人は被告人だと思う」と証言したことなどから、被告人が強制わいせつ罪で起訴された。 一審は、少女の犯人識別供述(容貌・特徴等から犯人を特定する供述)の信用性に疑問を残すとして無罪を言い渡したが、控訴審は少女の供述の信用性を認め、逆転有罪(懲役1年2月の実刑)とした。 1989年10月26日、最高裁判所は控訴審判決を破棄し、被告人に無罪を言い渡した。判決は、人物の同一性識別供述は成人でも正確性が問題となる場合が少なくないところ、小学4年生程度の年少者は被暗示性が強いため、その供述の信用性については特に慎重に吟味する必要があると判示した。少女が事件当時から犯人を「以前に見かけたことのある人物」と認識していたとする控訴審の判断についても、同級生との会話等を通じて暗示を受けた可能性を否定できないとして、信用性に疑問を呈した。 本件は、年少者による犯人識別供述の証明力に関する重要な最高裁判例として、法学教育や刑事弁護の実務で広く参照されている。渡部保夫『無罪の発見』(勁草書房)でも独立の章を割いて分析されている。

事件発生
1985
被告人
匿名
判決
一審:無罪 → 控訴審:逆転有罪(懲役1年2月・実刑)→ 上告審:原判決破棄・無罪
現在のステータス
無罪確定
冤罪の原因
目撃証言の問題、誤認逮捕

タイムライン

事件不利有利手続事後
1985事件発生(年は暫定)

東京都板橋区内のマンション前の通路で、下校途中の9歳の少女が男に階段踊り場へ連れ込まれ、わいせつな行為を受けたとされる。マンション管理人が犯人と少女が一緒にいるのを目撃していた。

1985被告人が逮捕・起訴(年は暫定)

少女の供述やマンション管理人の証言等をもとに、被告人が強制わいせつ容疑で逮捕・起訴された。

1986一審・無罪判決

少女の犯人識別供述の信用性に疑問を残すとして、一審は無罪を言い渡した。

1987控訴審・逆転有罪判決

控訴審は少女の犯人識別供述の信用性を認め、懲役1年2月の実刑という逆転有罪判決を言い渡した。

1989.10.26最高裁が破棄・無罪判決

最高裁判所は、年少者の犯人識別供述は被暗示性が強いため信用性を特に慎重に吟味する必要があるとし、控訴審の有罪判決を破棄して被告人に無罪を言い渡した。

参考文献

新装版 無罪の発見: 証拠の分析と判断基準
新装版 無罪の発見: 証拠の分析と判断基準
渡部保夫 (2026) — 書籍

元裁判官(青森・札幌・東京の各地裁、最高裁刑事調査官室、東京・札幌高裁等に30年間勤務)で、後に北海道大学教授・弁護士として研究と実務の双方に携わった著者による、事実認定論の古典的名著(初版1992年、勁草書房)。「有罪方向の証拠は誇張されることが多く、無罪方向の証拠は陰に隠れて存在することが多い」との認識のもと、自白の信用性判断基準、目撃証言・犯人識別供述の信用性、状況証拠の評価と事実認定、共犯者の自白の扱いなどを、米谷事件・板橋強制わいせつ事件・山中事件といった具体的な裁判例に即して論じる。初版から30年以上を経てなお、事実認定論議に不可欠な基本書として、刑法学者・井田良氏による解説を新たに付し新装版として刊行された。

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