クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件
匿名(クレディ・スイス証券 元外国債券部長)
2008年11月、東京国税局がクレディ・スイス証券の従業員・退職者約300人に一斉税務調査を実施。自社株(売買制限条項付株式・ストックオプション)で受け取った海外給与を正しく申告していなかった約100人の「申告漏れ」が判明した。その中から元外国債券部長1人だけが2009年12月に刑事告発され、2011年12月に東京地検特捜部が所得税法違反(脱税)容疑で起訴した。争点は「故意に申告しなかったのか」であった。元部長は一貫して故意を否認。同様に申告漏れとなった約100人の中で刑事告発されたのはこの1人だけであり、告発された理由は脱税を認めなかったからだとされた。2013年3月1日、東京地裁(佐藤弘規裁判長)は無罪判決を言い渡した。裁判長は「今回のことで時間が過ぎ、大切なものをなくしてきたと思います。私も初心を忘れずに歩んでいきます」と異例の説諭を行った。検察は控訴したが、2014年1月31日、東京高裁(角田正紀裁判長)も控訴を棄却。裁判長は「裁判所も迅速な審理に努力したが、もっと早くと被告人の立場からは思うだろう。これは裁判所の課題です」と述べた。検察は上告を断念し、2014年2月14日に無罪が確定。国税局査察部が刑事告発し東京地検特捜部が起訴した事案で無罪となったのは史上初であった。
2008年11月、東京国税局がクレディ・スイス証券の従業員・退職者約300人に一斉税務調査を実施。自社株(売買制限条項付株式・ストックオプション)で受け取った海外給与を正しく申告していなかった約100人の「申告漏れ」が判明した。その中から元外国債券部長1人だけが2009年12月に刑事告発され、2011年12月に東京地検特捜部が所得税法違反(脱税)容疑で起訴した。争点は「故意に申告しなかったのか」であった。元部長は一貫して故意を否認。同様に申告漏れとなった約100人の中で刑事告発されたのはこの1人だけであり、告発された理由は脱税を認めなかったからだとされた。2013年3月1日、東京地裁(佐藤弘規裁判長)は無罪判決を言い渡した。裁判長は「今回のことで時間が過ぎ、大切なものをなくしてきたと思います。私も初心を忘れずに歩んでいきます」と異例の説諭を行った。検察は控訴したが、2014年1月31日、東京高裁(角田正紀裁判長)も控訴を棄却。裁判長は「裁判所も迅速な審理に努力したが、もっと早くと被告人の立場からは思うだろう。これは裁判所の課題です」と述べた。検察は上告を断念し、2014年2月14日に無罪が確定。国税局査察部が刑事告発し東京地検特捜部が起訴した事案で無罪となったのは史上初であった。
- 事件発生
- 2008年
- 被告人
- 匿名(クレディ・スイス証券 元外国債券部長)
- 判決
- 一審:無罪(2013年3月1日、東京地裁・佐藤弘規裁判長)→ 控訴棄却(2014年1月31日、東京高裁・角田正紀裁判長)→ 検察上告断念・無罪確定(2014年2月14日)
- 現在のステータス
- 無罪確定
- 冤罪の原因
- 検察の暴走、客観的証拠の欠如
タイムライン
東京国税局がクレディ・スイス証券の従業員・退職者約300人に一斉税務調査。自社株報酬の申告漏れが約100人に判明
東京国税局が元外国債券部長を東京地検に刑事告発。申告漏れの約100人の中で告発されたのはこの1人だけ
東京地検特捜部が所得税法違反容疑で元部長を起訴。故意の脱税かどうかが争点に
東京地裁(佐藤弘規裁判長)が無罪判決。裁判長は「大切なものをなくしてきたと思います。私も初心を忘れずに歩んでいきます」と異例の説諭
東京高裁(角田正紀裁判長)が控訴を棄却。「もっと早くと被告人の立場からは思うだろう。これは裁判所の課題です」と説諭
東京高検が上告を断念し無罪確定。国税局査察部告発→特捜部起訴の事案で史上初の無罪
参考リンク
参考文献
クレディ・スイス証券在籍時の株式報酬の過少申告を故意の脱税とされ、国税局査察部に刑事告発され東京地検特捜部に起訴された著者・八田隆氏の闘いの記録。査察部告発・特捜部起訴の事案で史上初の無罪を勝ち取るまでの5年余りを克明に描く。江川紹子氏による解説を収録。堀江貴文氏推薦。光文社刊。
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