冤罪マップ
原因解説/証拠改ざん

証拠改ざん

証拠改ざんとは

既存の証拠物を、事件の立証に有利になるよう意図的に改変する行為。証拠捏造(ゼロから証拠を作り出す)とは区別されるが、いずれも刑事司法の信頼性を根底から破壊する。

厚労省郵便不正事件

2010年、大阪地検特捜部の主任検事・前田恒彦がフロッピーディスクのデータ(ファイルの最終更新日時)を意図的に書き換えていたことが発覚した。検察のストーリーに合うように証拠を改変したものである。

前田検事は証拠隠滅罪で懲役1年6月の実刑判決を受けた。さらに上司の大坪弘道特捜部長、佐賀元明副部長も犯人隠避罪で有罪となった。組織的な隠蔽が行われていたことが明らかになった。

この事件が残した教訓

厚労省事件は、証拠改ざんが個人の逸脱ではなく、組織的な「ストーリー」に合わせて証拠を加工する構造的な問題であることを示した。検察内部の検証体制の不備、特捜部の独走、チェック機能の欠如が浮き彫りになった。

用語解説

FD改ざんフロッピーディスクのファイル更新日時を書き換えた行為。厚労省事件で発覚

関連書籍

私は負けない「郵便不正事件」はこうして作られた村木厚子 (2013)

制度改革の動向

検察の内部検証体制の見直し、特捜部の運用改善が行われたとされるが、構造的な問題は残る。